black×cherry ☆番外編追加しました
コンサートの会場までは、いつも通り、馬場さんに送ってもらった。
1000人規模のコンサートホール。
控室に到着すると、持って来た衣装に早速着替えた。
結婚式のお色直しに着るような、ふわふわとしたピンクのドレス。
あれほどの華やかさではないけれど、控えめなかわいらしさで、コンサートに向くデザインだ。
「うわあー、咲良、かわいいよ!咲良はやっぱり、なんだかんだ言ってピンクだなあ」
彩華ちゃんは、私を上から下まで眺めると、感慨深そうに呟いた。
後輩のみんなも、「かわいいです!」とたくさん褒めてくれたので、さっきまで沈んでいた気持ちが少し明るくなっていく。
「ありがとう・・・」
「うん。いつにもましてかわいいって。もしかして、彼氏でも呼んでるの?」
彩華ちゃんににやにやしながら問いかけられて、思わず顔が熱くなる。
彼氏なんて呼んでない。
黒崎さんは彼氏じゃないし、かわいくしてもらったのは、ママが早川先生に見せるため。
だけど、黒崎さんが来てくれて、かわいいって思ってくれたら・・・なんて想像をして、熱くなったのだと思う。
そんな私に、彩華ちゃんがまた笑う。
「いいよいいよ、咲良は秘密主義だからね。言わなくってもいいけどさ。咲良に彼氏がいない方がおかしいもん。いいじゃん、絶対に惚れ直すって」
「う、うん・・・」
彩華ちゃんの勢いに、思わず頷いてしまった。
彼氏ではないし、惚れ直すもなにも、黒崎さんに好きになってもらったことは一度もない。
そして来てくれるかどうかさえ、わからないでいるけれど・・・。
(来てくれたら、その時は・・・)
先日、千穂ちゃんからアドバイスをもらった通り、連絡先を渡すんだ・・・。
その気持ちだけは揺るがずに、昨日寝る前、カバンに連絡先を書いたカードをそっと忍ばせていたのだった。
1000人規模のコンサートホール。
控室に到着すると、持って来た衣装に早速着替えた。
結婚式のお色直しに着るような、ふわふわとしたピンクのドレス。
あれほどの華やかさではないけれど、控えめなかわいらしさで、コンサートに向くデザインだ。
「うわあー、咲良、かわいいよ!咲良はやっぱり、なんだかんだ言ってピンクだなあ」
彩華ちゃんは、私を上から下まで眺めると、感慨深そうに呟いた。
後輩のみんなも、「かわいいです!」とたくさん褒めてくれたので、さっきまで沈んでいた気持ちが少し明るくなっていく。
「ありがとう・・・」
「うん。いつにもましてかわいいって。もしかして、彼氏でも呼んでるの?」
彩華ちゃんににやにやしながら問いかけられて、思わず顔が熱くなる。
彼氏なんて呼んでない。
黒崎さんは彼氏じゃないし、かわいくしてもらったのは、ママが早川先生に見せるため。
だけど、黒崎さんが来てくれて、かわいいって思ってくれたら・・・なんて想像をして、熱くなったのだと思う。
そんな私に、彩華ちゃんがまた笑う。
「いいよいいよ、咲良は秘密主義だからね。言わなくってもいいけどさ。咲良に彼氏がいない方がおかしいもん。いいじゃん、絶対に惚れ直すって」
「う、うん・・・」
彩華ちゃんの勢いに、思わず頷いてしまった。
彼氏ではないし、惚れ直すもなにも、黒崎さんに好きになってもらったことは一度もない。
そして来てくれるかどうかさえ、わからないでいるけれど・・・。
(来てくれたら、その時は・・・)
先日、千穂ちゃんからアドバイスをもらった通り、連絡先を渡すんだ・・・。
その気持ちだけは揺るがずに、昨日寝る前、カバンに連絡先を書いたカードをそっと忍ばせていたのだった。