black×cherry ☆番外編追加しました
「おつかれさまー!!」

「おつかれ〜!」

コンサートは、大成功のうちに終了した。

みんな、終わった後の満足感と感動で、ハイテンションで盛り上がる。

「咲良のソロ感動したよ〜!!きれいだし、上手だし、私は咲良を誇りに思うよ〜!」

お酒はまだ一滴も入っていないけど、彩華ちゃんが泣きながら私に抱きついてきた。

普段はしっかり者だけど、こんな彩華ちゃんも私はなかなかいいなと思う。

「ありがとう・・・。彩華ちゃんがコンミスしてくれたからがんばれたんだよ。きっとみんなそうだと思う。彩華ちゃんのソロもとってもよかった」

「~~~っ、咲良ーーー!!」

彩華ちゃんの涙が溢れ、ぎゅうっとさらに私に強く抱きついた。

卒業生である私たちは、やりきった感はもちろんだけど、切なさや、喪失感も一緒にこみ上げてくる。

ひとしきり、感想を言い合ったりと思いを伝え終えた後、彩華ちゃんは「よし!」と言って涙を拭いた。

「泣くのは今はここまでにしよう!とりあえず、お客さん待ってるだろうしロビーに行こうか」

「うん!」

私は、彩華ちゃんやみんなとともに、お客さんが流れるロビーへ向かった。

もしかしたら、黒崎さんがいるかもしれない。

そんな淡い期待もこめて。



ロビーに出ると、みんなそれぞれ知り合いの顔を見つけて声をかけあい、自由行動になっていく。

私も、複雑な思いできょろきょろと辺りを見渡していく。

「咲良!」

名前を呼ばれて振り向くと、千穂ちゃんが明るい顔で手を振ってくれていた。

隣には、岡本さんが立っている。

「千穂ちゃん!岡本さんも・・・来てくれてありがとうございます」

「うん!うわあ・・・咲良、間近で見るとほんとにかわいい!コンサートもすごくよかったよ!」
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