black×cherry ☆番外編追加しました
「いえ・・・違うと思います・・・」

確認したことはないけれど。

警察のキャリアと言われる人たちは、おじさまを含め、組織の中でごくごく一部と聞いている。

今までの全てのことを思い起こすと、黒崎さんは、多分、キャリア組ではないと思った。

「キャリアでもない警察官が、咲良ちゃんと結婚なんてできないよ。ご両親も、理事長だって許さないと思うしね」

「た、ただの片思いです。結婚なんて」

「でも、両想いになったとしたら?咲良ちゃん、あの人と結婚したいでしょう」

「!・・・それは」

「だけどきっと無理だと思う。あの人、多分僕より年上だよね?きっと自分でわかってる。咲良ちゃんがいくら好きでも、あの人は、絶対にキミを好きにはならない」

「!」

はっきりと言われてしまった。

黒崎さんから「好きにならない」と告げられたわけじゃないけれど、私の胸はぎゅっと痛んだ。

「そ、そんなこと・・・」

「・・・そうだな。好きにはなるかもしれないね。だけど、きっとあの人は諦める。咲良ちゃんを好きならなおさら。咲良ちゃんを好きにはならない」

頭の中が、こんがらがっていくようだった。

好きにはならない、好きになる、それでもきっと、諦める・・・。

「キミは大病院のお嬢様だよ。そんじょそこらの、普通の女の子じゃない。結婚相手も、普通の人では務まらないよ」

「で、でも、私は・・・結婚は、好きな人としたいです」
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