black×cherry ☆番外編追加しました
はぐらかすように、曖昧な返事をしてしまった。

けれどここで、それ以上のことを話すわけにもいかなかった。

「じゃあ・・・失礼します」

「はい、お気をつけて~」

受付の女性に挨拶しながら、私は、自分の未来を考える。


私を好きでいてくれる、優しくて完璧な、家族が勧める婚約予定の先生と。

メールも来ない、私が好きな・・・黒崎さん。


堅実な未来を考えるなら、答えは明白なのかもしれない。


(でも、私はーーーーー・・・)


二通目のメールも、届いてないってあるのかな。

ひと言の返事もできないくらい、仕事が忙しいのかな。

それともやっぱり、もう、嫌われてしまったのかな・・・。


(・・・こないかな)


外へ出て、また、メールのチェックをしてしまう。

きっともうこないって、頭ではわかっているはずなのに。

それでも、きているかもって、きていたらいいのになって、願わずにはいられなかった。
















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