black×cherry ☆番外編追加しました
「千穂ちゃん、咲良ちゃん。ごめんね、お待たせしました」

大学が終わると、岡本さんが私たちを車で迎えに来てくれた。

今日はお休みだったということで、車も磨いてきたそうだ。

「すみません、ご一緒させていただいて」

「ああ、いいんだよ。咲良ちゃんなら大歓迎」

へへっと笑う岡本さん。

千穂ちゃんは「ほらね」と言って苦笑した。


(本当に、仲良しなんだな)


私なら、他の女の子がデートに一緒に来るなんて、やきもちを焼く気がするけれど。

きっと、二人の関係は絶対で、だからこそ、こうして私が一緒にいても大丈夫なのだと思う。



車では、千穂ちゃんは私と後部座席に並んで座った。

普段は助手席だろうけど、今日は私が一緒だからか、特別配置のようだった。

「それにしても。咲良ちゃん、よく夕飯食べてきていいって言ってもらえたね。普段門限6時だっけ?厳しいよね」

運転しながら、岡本さんは私に尋ねた。

今どき、門限が6時だなんて高校生でもないだろう。

「はい・・・。千穂ちゃんと一緒だからって、電話に出てもらったんです。母は、千穂ちゃんのことはとても信頼しているので」

「へー。さすが千穂ちゃんだなー」

岡本さんが笑って、私と千穂ちゃんも一緒に笑った。


(そうなんだよね・・・)


千穂ちゃんが「一緒に夕飯を食べたくて」とママに言ってくれたから、ママも「7時までなら」と特別に許可をしてくれた。

そう・・・門限は、1時間延びただけだけど。
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