black×cherry ☆番外編追加しました
黒崎さんも、今気が付いたようだった。

舌打ちをして、一瞬にしてものすごく嫌そうな顔になってしまった。

「・・・注文しちまったじゃねえか・・・」

黒崎さんがぽつりと呟く。

注文前なら、店を変えていたかもしれない。

「あ・・・え、えっと、おつかれさまです!あ、いや、今日はお休みでしたね」

「ああ。休みまでおまえと会うとはな」

「ほ、ほんと、偶然ですね・・・」

岡本さんは、すっかり恐縮している様子。

けれど、持ち前の明るさでそのまま話しかけていた。

「あっ・・・と、この子、オレの彼女の瀧石千穂ちゃんです。それと、咲良ちゃんも一緒で」

「・・・ああ」

私の方は全く見ずに頷いた。

そしてスマホを操作し始めて、「話しかけるな」オーラを放つ。


(なんか・・・すごく嫌われているみたい)


おいしかったラーメンの味が、一気になくなるようだった。

岡本さんが、あわあわと焦っている様子がよくわかる。

「あ・・・えっと、そうだ、咲良ちゃん、この前病院でも会ったよね」

盛り立てるように、岡本さんが私に話しかけてくれた。

気持ちは落ち込んでいるけれど、その気遣いに、私は「はい」と頷いた。

「あんなところで会うなんて、すごく驚きました」

「はは、だよね」

岡本さんの言葉に続き、千穂ちゃんも話に加わる。

「パトロールだったんだっけ?」

「う、うん。そう」

「大変ですよね。わざわざ院長室まで行くなんて。あそこは離れになっているし」

「あ・・・いや、そうだね・・・」
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