black×cherry ☆番外編追加しました
「あ・・・大丈夫です。おばさま、元彼の男性とよりを戻したそうなので」

私が言うと、黒崎さんは「はあ!?」と一気に不機嫌顔に。

「なんだそれ・・・。早く言えよ」

「えっ、でも」

「一人で自惚れてるみたいだろ」

「そ、そうですかね・・・」

「そうだ。・・・ったく」

不貞腐れてしまった。

なんだかんだ言って、おばさまに好かれているのは嬉しかったのだろうか。


(年上だしきれいだし・・・黒崎さんの好みのタイプな気がするもんね・・・)


「もしかして、おばさまのこと好きでしたか」

「は?・・・別に、好きじゃない。綺麗だとは思うけど」

「綺麗・・・」

「前の結婚相手とタイプがかぶる。ああいう、賢そうな美人はもういい」


(賢そうな美人・・・)


前の奥さんは、そういう感じだったんだ。

佐和子おばさまと似ているタイプ・・・。


(『もういい』って言ってはいても、そういうひとが好きなんだよね・・・)


思いながら、自分のことを振り返る。

どう考えても正反対。

迷惑ばかりかけてるし、生まれてこのかた、賢そうだと言われたことは一度もなかった。
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