black×cherry ☆番外編追加しました
食事会の会場は、老舗ホテルの和食店。

早川先生とご両親とは、ホテルのロビーで待ち合わせ。

パパは仕事が入ってそれを終わらせてから来るそうなので、病院から、直接ホテルに来る約束になっている。

私とママは、二人で着付けとヘアメイクを済ませた後に、馬場さんにホテルまで送ってもらった。




待ち合わせの5分前に、ホテルロビーに到着した。

早川先生とご両親は、すでに来ていてソファに座って待っていた。

私たちの姿を見ると、三人揃って立ち上がる。

「咲良ちゃん」

先生もご両親も、とても明るい笑顔だった。

胸が痛い。

私はとても望まれてるのに。

それなのに私は・・・「これから好きになろう」なんて、そんなことを思ってる。

「すみません、お待たせしまして」

「いえ。まだ時間前ですし、私たちも、先ほど着いたばかりなんですよ」

ママと、早川先生のお母様とで和やかな会話が交わされる。

軽く会釈をした私には、早川先生が近づいてきた。

「咲良ちゃん、今日は一段と綺麗だね」

高い位置から腰をかがませ、耳元で囁かれた。

触れそうになる吐息と距離に、顔は自然と熱くなる。


(・・・大丈夫、私はきっと、好きになる・・・)


素敵な人だ。

優しくて、かっこよくて・・・。

こうして・・・こういう感じで時を重ねていったなら、私はいつか、早川先生を好きになっているはずだ。

「まあ・・・咲良ちゃん、本当にかわいらしいわね」

「本当だね。咲良ちゃんによく似合っているよ」

ママと話を終えたご両親も、私を見ると一緒になって誉めてくれた。
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