black×cherry ☆番外編追加しました
それから、岡本さんが私とママを車で家まで送ってくれた。

昭一おじさまは、仕事でどうしても来ることができないけれど、とても心配していると、そして仕事が終わったらすぐに家に行くからと、伝言も一緒に伝えてくれた。

「寝てても大丈夫ですよ。着いたら声をかけますから」

車が走り出して数分。

岡本さんは、後部座席の私とママを気遣った。

「ありがとうございます・・・」

私は返事をしたけれど、ママは言葉を発さずに、窓の外をぼんやり見ていた。

泣きはらして、疲労しきった表情だ。

「・・・岡本さん」

私も、とても疲れていた。

けれどどうしても、聞いておきたいことがある。

「あの、黒崎さんは・・・」

ママの手前、とても聞きにくいことだった。

けれどはっと気がついた時、黒崎さんはあの場にもういなかった。

負傷していた左腕。

大量の額の汗。

私は、黒崎さんの身体のことが、心配で不安で仕方なかった。

「うん・・・大丈夫だよ。あの後すぐに、咲良ちゃんのお父さんと、もう一人・・・・早川先生って言ったかな。あの先生とで応急処置をしてくれたんだ。

それですぐ病院に運んでくれたから。手術するって聞いたけど・・・咲良ちゃんのお父さんも、あの先生も腕がいいって聞いてるよ。うちの先輩も一人付き添ってくれてるし。黒崎さんは大丈夫だよ」
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