black×cherry ☆番外編追加しました
家族にも気づかれないように、内密に捜査をしてほしい、と。

「桃子は心配性だしな。咲良も怖がってしまうだろうし・・・。自分だけでなんとかできれば、そうしたいと思ったみたいだ。なにより、咲良の婚約話もあったろう。いたずらの可能性もあるわけだし・・・下手に騒ぎ立てるより、できるだけ穏便にすませたいと思ってたんだな」

「・・・そうですか・・・」

パパの相談に悩んだおじさまは、脅迫状の差出人を捜査するのはもちろんのこと、パパにボディガードとして部下をつけることにした。

それが、黒崎さんと岡本さん。

ちょうど、担当の仕事が少なかったことが一番の理由だそうだけど、黒崎さんはボディガードに適任の能力だということと、岡本さんは私と仲がいいからと、もし私が二人を見かけた時、怖がらず、そしてまさかボディガードだとは思わないだろうと予測をしたとのことだった。


(そっか・・・。院長室の前で黒崎さんと岡本さんに会った時・・・あれは、ただのパトロールじゃなかったんだ・・・)


確かにあの時、私は、警察官の二人がいるという状況に物騒な気配を感じたけれど、岡本さんの説明を受け、その後は恐怖を感じなかった。

ましてや、二人がパパのボディガードをしているなんて、考え付かないことだった。

「とはいえな、周囲に知られたくないっていう和馬くんの意向もあって。黒崎と岡本には、可能な範囲で遠くから、気配を消して護衛するようにと頼んでいたんだ。ボディガードなのに、そばで守れないっていう。かなりやりにくかったみたいだが」

パパはどうやら、無理難題をお願いしていたようだった。
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