black×cherry ☆番外編追加しました
私が言うと、黒崎さんはとても驚いた顔をした。

確かに、許可を得て会いに来るのは今日が初めてだと思う。

「・・・本気でか」

「はい。あ・・・その、私が来たかったのもありますけど・・・」

最後は余計なことだったのか、途中で目を逸らされた。

ズキンと胸が痛むけど、気持ちを切り替え、持っていた紙袋を黒崎さんに差しだした。

「これ・・・母から黒崎さんにって頼まれたんです。パジャマだそうです」

「は?パジャマ?」

「はい。緊急入院でほとんど着替えも持ってないって、父から話を聞いたみたいで・・・」

今はまだ、包帯ががっしり巻かれているから、処置がしやすいよう病院の手術着を着ているけれど。

いずれはパジャマが必要になるだろうから、と、ママが二着用意した。


(本当は、下着とかも買いたかったみたいだけど・・・さすがにそれは余計かなって、遠慮をしたみたいなんだよね)


「・・・なんか、気が引けるけど」

黒崎さんは、恐縮した様子で紙袋を受け取った。

片手なので、手伝うように私が包みを開けてみせると、紺色と、白と青のストライプの二着のパジャマが入っていた。

「・・・・・・。お礼、言っといて」

「はい。もし、他にも必要なものがあったら言ってください。買ってきますので」

「いや、ある程度売店で買えるし。なければ誰か・・・岡本にでも頼むから」

「そうですか・・・」

正直、少し残念だった。

頼んでくれていいのにな・・・。
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