black×cherry ☆番外編追加しました
「っ、あ、あのっ」

「・・・おまえは、オレがもらう」

わずかに離れた唇が、低い声で呟いた。


(・・・もらう?)


ーーーー混乱している。


言葉の意味がわからない。

私は、聞き返すように黒崎さんの瞳を見つめた。

「許されるかわからないし。いつになるかはわからないけど。おまえは・・・必ずオレがもらうから」

「!」


(もらうって、お嫁さんにっていう意味のこと・・・?)


まさか・・・。

本当に?

ーーーーー夢かもしれない。

けれど、耳に残る低音も、唇に残る感触も、多分、これは、夢のことではないと思った。

それでも、まだ現実だって思えない。

瞳を揺らすと、黒崎さんは私のことを右手で胸に抱きしめた。

「嫌とか言うなよ、今更」

「っ・・・で、でも」

「でもとかうるせえ。とにかく、オレがおまえを好きなんだよ」

「!」

本当に、私の心臓は一度止まっただろうと思う。

耳元で、言われた言葉に。

好きだって、告げられたその衝撃は、時間を止めたようだった。
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