black×cherry ☆番外編追加しました
黒崎さんが退院をして、すぐに迎えた日曜日。

今日は、私との交際許可を得るために、黒崎さんが家に来てくれることになっている。

パパもママも、私に「認める」と言ってくれてはいるけれど、ここまでの経緯はとてもいろいろあったから、「きちんと挨拶してから付き合いたい」と、黒崎さんが望んでくれた。

それも、なるべく早い方がいいだろうって、退院してすぐの今日、会う約束をしたのだけれど・・・。


(ついさっき、予想外の来客があったんだよね・・・)


黒崎さんに連絡しようか・・・と悩んだその時、呼び鈴が鳴る音がした。


ピンポーン。


「!」

黒崎さんだ。

私は、インターホンで「はい!」と返事をした後に、パタパタと玄関先に出て行った。

「こんにちは・・・」

逸る気持ちでドアを開けると、目の前には、紺色のスーツ姿の黒崎さん。

えんじ色のネクタイを、ピシッと締めてかっこいい。

スーツ姿は何度か目にしているけれど、ここまできちんと着こなしたスーツ姿は初めてで、私はドキッとしてしまう。

「あ・・・、ありがとうございます。今日は、来ていただいて」

「・・・ああ」

黒崎さんは、かなり緊張しているようだった。

表情が強張って、いつもより、さらにちょっと怖い顔。

「あっ、上がってください。リビングでみんな待っているので・・・」

私が言うと、黒崎さんは「ああ」と返事をした後で、疑問を持った顔をした。

「今、みんなって言った?ご両親の二人だろ?」


(あ・・・)


「・・・すみません、それが」

先ほどあった突然の来客について伝えると、黒崎さんは「はあ!?」と叫ぶような声を出す。
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