black×cherry ☆番外編追加しました
「黒崎・・・てめえ、何しにここに来やがった」

全員がそろったところで、誰よりも早く口火を切ったのは昭一おじさま。

用件は、わかっていると思うのだけど・・・。

「・・・咲良さんとお付き合いをさせていただきたいので。ご両親に、その、ご挨拶に」

黒崎さんは、淡々と、仏頂面で答えを返す。

すると昭一おじさまは、ものすごい気迫で黒崎さんをギッ!と睨んだ。

「この野郎・・・本気で言ってんのか。咲良に手を出そうなんて、随分といい度胸じゃねえか・・・」

「・・・」

バチバチと、見えない火花が燃え上がる。

早くも漂う殺気立った雰囲気に、私はハラハラしてしまう。

「昭一さん、とりあえずはまあ落ち着いて。ほら、父親である和馬の出番もないでしょう」

そこで、佐和子おばさまが苦笑しながら口を挟んだ。

そして「ねえ、和馬」と話題を振ると、パパも同じく苦笑した。

「そうですね。昭一さん、私も父親として複雑な気持ちはありますけどね。二人の気持ちは固まっているようだから。ひとまず話を聞きましょう」

「・・・・・・」

おじさまは、とても不服そうな顔をした。

けれど、「和馬くんがそこまで言うなら・・・」と、耐えるように口をつぐんだ。

「・・・」

みんなの視線を受けた黒崎さんは、強張った様子でふう、と息を整えた。

そして、決意をこめた表情で、正面に向かって頭を下げた。

「咲良さんと、結婚を前提にお付き合いをさせていただきたいと思っています。ですから、その・・・」
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