black×cherry ☆番外編追加しました
そこで一拍間をおいて、おじさまは、黒崎さんをビシッ!と右手で指差した。

「結婚するまで、咲良に指一本触るんじゃねえっ!!」

「えっ!」

「ええー・・・」

「に、兄さん・・・」

昭一おじさまの発言に、思わず絶句をしてしまう。

キスをしたことがあるなんて、絶対に、絶対に口がさけても言えなくなった。

「指一本て・・・」

黒崎さんも、それはさすがに、と思ったようで、不服の言葉を呟いた。

小さな声だったけど、おじさまはそれを聞き逃さない。

「なんだてめえ・・・文句あんのか」

「文句っていうか・・・本部長は、結婚するまで奥さんに指一本触れなかったんですか」

「ああ!?うるせえ!どうでもいいだろそんなこと!!」

おじさまが、バン!と強く机をたたいた。

その迫力に、私が震え、ママもビクリと驚いた。

「あ・・・いや、すまん・・・」

昭一おじさまは、咳払いをするとドスンと座って胡坐をかいた。

「・・・まあ、とにかくだ。咲良は羽鳥家のお嬢様なわけだから。うちの妻とは比べられない」

「・・・なんですかそれ・・・」

「とにかく。最低でもあと二年!咲良が大学院を卒業するまで、咲良に絶対触るんじゃねえ!!」
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