black×cherry ☆番外編追加しました
「・・・」

医学的なことはわからないが、捻った足首にひもがくいこんでいるのはよくない気がした。

とりあえず、サンダルは脱がした方がいいだろう。

「少し我慢しろ」

なるべく痛みがないように、留め具を外し、サンダルを足から脱がしてく。

痛みを訴えないけれど、その表情は、痛さを我慢している顔だった。


(にしても。ほんとに細せーな・・・。折れてないのか)


痛そうな表情と、細い足首に骨が折れていないか心配をする。

いずれにせよ、サンダルは脱がせた方がいいだろう。

反対側は平気なようだが、念のため左足も同様にして脱がせていった。

「・・・一人で来たのか」

これで一人だと厄介だ。

確認すると、伯母と一緒に来たと言う。

女が向けた視線の先には、ベンチに座って電話をしている女性の姿が見えたので、きっとあの女性のことだ。

「・・・確か、羽白総合病院のお嬢様だよな?」

一応、素性を確認しておく。

それによっては、対応が若干異なるからだ。

「羽鳥・・・咲良だっけ?」

「は、はい。そうです・・・」

女は、オレの問いに動揺し始め、怯え切った目で震えている。

・・・オレは野獣か。

これじゃあ、本気でオオカミに食われる前のうさぎじゃねえか。

「・・・そんな怯えられると困るんだけど。取り調べじゃあるまいし」

「い、いえ、あの・・・」

「『姪に何をしてくれた』って、岩田本部長にさんざん怒られたから。インパクト強くて覚えてただけ」
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