black×cherry ☆番外編追加しました
ますますもって、黒崎さんが怖い顔。

私はビクリとしたけれど、おばさまはキラン!と目を光らせた。

「あら。今は恋人もいらっしゃらないのね」

「・・・まあ」
 
「ははは。そうなんですよ。バツイチで、前の結婚で傷ついたんだか知らんけど・・・女性に壁を作るみたいで。まあ、基本的に一匹狼っぽいですけどね。女性には特になんかなあ」

昭一おじさまの軽口に、黒崎さんはうんざりとした顔をする。

けれど、おじさまは気にせず続けた。

「人相悪いってだけで、顔の作りは整ってるし。背も高いしなあ。しかもまだ33だろ?諦めなくていいんじゃないか」

「・・・別に。諦めたとかじゃなくて。面倒なんですよ」

さらにうんざりとする黒崎さん。

その正面で、佐和子おばさまが「33歳!」と年齢に大きく反応をした。

そういえば・・・本当に、以前の彼と同い年。

「じゃあ、恋愛のリハビリってことで。私なんてどうですか?年上ですけど、面倒じゃないタイプですよ」

「おっ!黒崎~、いいじゃないか。前の奥さんも確か年上だったよな」

盛り上がる伯父と伯母。

黒崎さんは、最高潮に不機嫌な顔になっていく。

「・・・だから。そういうこと自体面倒なんです。相手がどうとか言うんじゃなくて」

「あら。それなら、とりあえずお友達からっていうのはどうかしら?このまま一生、恋愛もせずに一人だなんて寂しいですよお」

色っぽく小首を傾げるおばさまだけど、黒崎さんは視線を合わせず、「いえ」と拒否を続けていた。

堂々巡り。

会話が行き詰ったところで、昭一おじさまが「そういえば」と私の方へ視線を向けた。

「恋愛もなにも、咲良は結婚するそうじゃないか」

「・・・!」
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