冬の恋、夏の愛
「今日もお付き合い、ありがとうございました」
桜木町駅からJRに乗り、横浜駅が近づいてきたとき、いつものように羽島さんがお礼を言った。
「また会ってくれますか?」
この言葉も毎回、お礼と一緒についてきた。断る理由なんてない。「ああ」と小さくつぶやいた。
うれしいくせに笑えないオレは、電車が横浜駅のホームに到着するのを、ドア越しにみつめていた。
「ありがとうございます。私……」
背の高いオレの方に、羽島さんが見上げるようにして視線を向けた。つい、そちらに視線を向けてしまって、目が合った。
その瞬間、ドアが開いた。羽島さんはホームに飛び降りると、ホームに溢れる人たちをすり抜けるようにして走り出した。
電車のドアが閉まり、オレを乗せて走り出す。羽島さん、なにか言いかけた? そんなふうに感じながら、空いている席に座った。
目が合った瞬間を思い出す。不覚にも頬が緩みそうになって、手でさすった。羽島さんに対して恋愛感情があるか、ないか、今はよくわからない。
でも、あわよくば、このまま……良い方向に進めば……。なんて思う自分がいるのは事実だ。
桜木町駅からJRに乗り、横浜駅が近づいてきたとき、いつものように羽島さんがお礼を言った。
「また会ってくれますか?」
この言葉も毎回、お礼と一緒についてきた。断る理由なんてない。「ああ」と小さくつぶやいた。
うれしいくせに笑えないオレは、電車が横浜駅のホームに到着するのを、ドア越しにみつめていた。
「ありがとうございます。私……」
背の高いオレの方に、羽島さんが見上げるようにして視線を向けた。つい、そちらに視線を向けてしまって、目が合った。
その瞬間、ドアが開いた。羽島さんはホームに飛び降りると、ホームに溢れる人たちをすり抜けるようにして走り出した。
電車のドアが閉まり、オレを乗せて走り出す。羽島さん、なにか言いかけた? そんなふうに感じながら、空いている席に座った。
目が合った瞬間を思い出す。不覚にも頬が緩みそうになって、手でさすった。羽島さんに対して恋愛感情があるか、ないか、今はよくわからない。
でも、あわよくば、このまま……良い方向に進めば……。なんて思う自分がいるのは事実だ。