冬の恋、夏の愛
チュンチュンチュンと、鳥のさえずりを耳に感じて、ハッとした。ガバッと起き上がると、頭が少しクラッとした。

昨日の夜、長い戦いを前にソファで眠ってしまったらしい。

「おはようございます。家にあるもので勝手に朝ごはん、作っています」

キッチンには、羽島さんの笑顔。夢のような光景だ。

「ああ、ありがとう……」

「こちらこそ。シャワー、浴びてきますか?」

「ああ」

短く返事をすると、そそくさと風呂場に向かった。羽島さんと何事もなく、朝を迎えることができて、ホッとした反面、もったいないことをした気も……。

「なに、考えてんだ?」

シャワーを顔面に浴びながら、ブツブツとつぶやいた。羽島さんを本当に大切に思うのなら、そう簡単に手を出してはいけないと、わかっているのに。

こんなオレでも、好きな女の子を前にしたら、男のオレが黙っちゃいないから、困る。

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