冬の恋、夏の愛
⑩
羽島さんと出会って、ちょうど一年。今年もクリスマスがやってきて、羽島さんはひとつ大人になった。
クリスマスだから、と言って、豪華なクリスマスディナーを食べるわけでもなく、いつもと同じような居酒屋で乾杯をした。
『焼き鳥屋さんに行きたい』って、言うから。今さらながら、もうすこし気の利いた店をチョイスすれば良かったと、後悔。
だって今日は、羽島さんの誕生日だから。
「おめでとう」
なんだか照れ臭くて、ボソリとお祝いの言葉を言った。
「ありがとう」
頬を染めて、羽島さんもなんだか照れ臭さそうだ。
「好きなの、どうぞ」
羽島さんの前にメニュー表を広げる。いつもとなにも変わらない。注文はいつも、羽島さんの好みに任せていた。
「たまには関さんが選んでくださいよ」
「いいよ。なんでも食うから」
相変わらず、ぶっきらぼうにしか話せない。よくこんなオレと一年も、付き合ってきたな。
ん? 付き合って……? いや。オレたちは、そんな関係じゃない。
そろそろケジメをつける時期なのかな? 友だちのままか、恋人になるのか。
そんなことを考え始めると、急に緊張してきた。もちろん、羽島さんにはバレないように、今日もポーカーフェイスを決めこんだ。
クリスマスだから、と言って、豪華なクリスマスディナーを食べるわけでもなく、いつもと同じような居酒屋で乾杯をした。
『焼き鳥屋さんに行きたい』って、言うから。今さらながら、もうすこし気の利いた店をチョイスすれば良かったと、後悔。
だって今日は、羽島さんの誕生日だから。
「おめでとう」
なんだか照れ臭くて、ボソリとお祝いの言葉を言った。
「ありがとう」
頬を染めて、羽島さんもなんだか照れ臭さそうだ。
「好きなの、どうぞ」
羽島さんの前にメニュー表を広げる。いつもとなにも変わらない。注文はいつも、羽島さんの好みに任せていた。
「たまには関さんが選んでくださいよ」
「いいよ。なんでも食うから」
相変わらず、ぶっきらぼうにしか話せない。よくこんなオレと一年も、付き合ってきたな。
ん? 付き合って……? いや。オレたちは、そんな関係じゃない。
そろそろケジメをつける時期なのかな? 友だちのままか、恋人になるのか。
そんなことを考え始めると、急に緊張してきた。もちろん、羽島さんにはバレないように、今日もポーカーフェイスを決めこんだ。