冬の恋、夏の愛
④
「私って、魅力ないんかな……」
今にも消え入りそうな、小さな小さな声で、莉乃ちゃんがつぶやいた。
「……え?」
どうして急にそんなことを言い出したのか。理解できないオレは、聞き返した。
「……だって」
大きな目が、潤んでいる。またオレは、気づかぬうちに莉乃ちゃんを傷つけてしまったようだ。
「ごめん」
「なんで謝るの? 私に魅力がないのがあかんのに……」
「ごめん。言っている意味がわからない」
どこから『莉乃ちゃんに魅力がない』という話になったのか? だんだんと、なにについて会話をしているのかもわからなくなってきた。
「寿彦さん」
莉乃ちゃんがオレの名前を呼んで、じっとみつめる。恥ずかしさのあまり、目をそらしてしまいそうになりながらもみつめ返した。
「ふたりっきりやのに……抱きしめてもくれへんから」
「えっ!」
思わず声をあげてしまった。莉乃ちゃんは、オレなんかにはもったいないくらい、かわいい子だ。嫌われたくなくて、慎重になっていただけなのに。それが裏目に出ていたなんて。
ゆっくりと近づくと、優しく抱き寄せた。莉乃ちゃんからのひと言に、やっと自分から近づくことができた。
女の子特有の、柔らかい感触。ただ触れているだけで、この上ない幸せを感じた。
今にも消え入りそうな、小さな小さな声で、莉乃ちゃんがつぶやいた。
「……え?」
どうして急にそんなことを言い出したのか。理解できないオレは、聞き返した。
「……だって」
大きな目が、潤んでいる。またオレは、気づかぬうちに莉乃ちゃんを傷つけてしまったようだ。
「ごめん」
「なんで謝るの? 私に魅力がないのがあかんのに……」
「ごめん。言っている意味がわからない」
どこから『莉乃ちゃんに魅力がない』という話になったのか? だんだんと、なにについて会話をしているのかもわからなくなってきた。
「寿彦さん」
莉乃ちゃんがオレの名前を呼んで、じっとみつめる。恥ずかしさのあまり、目をそらしてしまいそうになりながらもみつめ返した。
「ふたりっきりやのに……抱きしめてもくれへんから」
「えっ!」
思わず声をあげてしまった。莉乃ちゃんは、オレなんかにはもったいないくらい、かわいい子だ。嫌われたくなくて、慎重になっていただけなのに。それが裏目に出ていたなんて。
ゆっくりと近づくと、優しく抱き寄せた。莉乃ちゃんからのひと言に、やっと自分から近づくことができた。
女の子特有の、柔らかい感触。ただ触れているだけで、この上ない幸せを感じた。