冬の恋、夏の愛
③
それから三日もしないうちに、涼介から呼び出された。呼び出された……と言うよりは、家に押しかけられた。
「莉乃ちゃんと、別れたんだって?」
コンビニの袋からビールやおつまみを取り出しながら、涼介がトーンダウンしながら言った。
「違う。振られた」
「振られた? 寿彦のことだから、野球優先にしたんだろ?」
図星すぎて、黙ってしまった。
「どうして? 莉乃ちゃん放置で野球を観に行くつもりだったのか?」
……ここまで図星だと、彼女経由で莉乃ちゃんから話を聞いたのかと言いたくなった。
「クライマックスシリーズのチケット、一枚譲ってもらったから……」
「……それで?」
「莉乃ちゃんとデートの約束をしていたんだけれど、許してもらえるかと思って」
ビールのプルタブを開けると、勢い良く流し込むようにして飲んだ。苦味が喉や、なぜか心にまで沁み入る。
「……なんて言ったの?」
「今度の土曜日、広島に行く……って」
「はぁ?」
涼介も、莉乃ちゃんのようなリアクションをした。言い方がまずかったんだと、今さら気がついても遅かった。
「そんな言い方、振られて当然」
傷口に思いっきり塩を塗られた。でも、塗られて当然。せっかく涼介がくれた出逢いを、オレから手放してしまったのだから。
「うん。わかってる……。やっぱりオレは、一生、独身でいいや」
「またぁ。そうやってすぐ拗ねる。振られたもんはしょうがないから、新しい子を紹介してやるよ、な?」
「莉乃ちゃんと、別れたんだって?」
コンビニの袋からビールやおつまみを取り出しながら、涼介がトーンダウンしながら言った。
「違う。振られた」
「振られた? 寿彦のことだから、野球優先にしたんだろ?」
図星すぎて、黙ってしまった。
「どうして? 莉乃ちゃん放置で野球を観に行くつもりだったのか?」
……ここまで図星だと、彼女経由で莉乃ちゃんから話を聞いたのかと言いたくなった。
「クライマックスシリーズのチケット、一枚譲ってもらったから……」
「……それで?」
「莉乃ちゃんとデートの約束をしていたんだけれど、許してもらえるかと思って」
ビールのプルタブを開けると、勢い良く流し込むようにして飲んだ。苦味が喉や、なぜか心にまで沁み入る。
「……なんて言ったの?」
「今度の土曜日、広島に行く……って」
「はぁ?」
涼介も、莉乃ちゃんのようなリアクションをした。言い方がまずかったんだと、今さら気がついても遅かった。
「そんな言い方、振られて当然」
傷口に思いっきり塩を塗られた。でも、塗られて当然。せっかく涼介がくれた出逢いを、オレから手放してしまったのだから。
「うん。わかってる……。やっぱりオレは、一生、独身でいいや」
「またぁ。そうやってすぐ拗ねる。振られたもんはしょうがないから、新しい子を紹介してやるよ、な?」