冬の恋、夏の愛
②
莉乃ちゃんと別居を始めてから、一週間が過ぎた。体調もすっかり良くなり、多治見さんに預けていた莉乃ちゃんを迎えに来た。
莉乃ちゃんには、内緒で。
「ただいま」
多治見さんの声と、玄関のドアを開ける音が聞こえた。
「おかえり」
先に部屋で待っていた涼介が出迎えた。
「どうしたの?」
涼介の顔に何か書いてあることに気づいたのか、多治見さんが聞いた。アイツのことだ。きっと必要以上にニヤついていたに違いない。
「おかえり」
そんな涼介とは対照的に、オレはソファに座ったまま、相変わらずの無表情で言った。久しぶりに莉乃ちゃんに会えて、すごくうれしいくせに。
でも、莉乃ちゃんはそうではないようだ。オレを見るなり、後ずさりをした。
「羽島さん、そのリアクションはどうかと思うよ?」
笑いながら涼介が言った。いるはずのないオレがいて、驚きのあまりそのリアクションをしたのか? それとも、別の理由が……。
……なんて。考えるのはよそう。オレはただただ、莉乃ちゃんに会えたことがうれしいのだから。
莉乃ちゃんには、内緒で。
「ただいま」
多治見さんの声と、玄関のドアを開ける音が聞こえた。
「おかえり」
先に部屋で待っていた涼介が出迎えた。
「どうしたの?」
涼介の顔に何か書いてあることに気づいたのか、多治見さんが聞いた。アイツのことだ。きっと必要以上にニヤついていたに違いない。
「おかえり」
そんな涼介とは対照的に、オレはソファに座ったまま、相変わらずの無表情で言った。久しぶりに莉乃ちゃんに会えて、すごくうれしいくせに。
でも、莉乃ちゃんはそうではないようだ。オレを見るなり、後ずさりをした。
「羽島さん、そのリアクションはどうかと思うよ?」
笑いながら涼介が言った。いるはずのないオレがいて、驚きのあまりそのリアクションをしたのか? それとも、別の理由が……。
……なんて。考えるのはよそう。オレはただただ、莉乃ちゃんに会えたことがうれしいのだから。