冬の恋、夏の愛
④
そう思っていたのに、おかしな展開になっている。
『ハマスタに行ってみたい』
『マリンタワーにのぼりたい』
『江ノ電に乗ってみたい』
好奇心旺盛な羽島さんは、横浜のみならず、神奈川県のいろいろな名所に行きたいとオレを誘うのだ。
羽島さん、横浜に知り合いが少なくてよっぽど寂しいんだろうな。オレなんかを誘うなんて。
今日も、赤レンガ倉庫に行ってみたいと言うから、断る理由もなく、現地集合。不思議なことに羽島さんは、毎回、行きたい場所に現地集合したがる。それで、道に迷って集合時間に遅れる。
今日もそんな感じで、十五分ほど待ちぼうけ。
「関さん! 遅れてごめんなさい」
はぁはぁと、息を切らせて駆け寄ってきた。別に急いでいないから、走らなくても。
「現地集合、やめたら?」
ふたりで会うのは、今日で四度目。なんやかんやで毎回謝らせてしまうから、なんだか気の毒に思えて、そう言った。
「ごめんなさい。怒っていますよね?」
整わない息のまま、申し訳なさそうに小さく言った、羽島さん。
「いや。別に」
怒る理由なんてない。初めての場所だから、下調べをしていても迷うことだってある。
「とりあえず、入る?」
今日は、風が強く吹いている。羽島さんのふんわりとしたスカートが、風にいたずらされるのを嫌った。
『ハマスタに行ってみたい』
『マリンタワーにのぼりたい』
『江ノ電に乗ってみたい』
好奇心旺盛な羽島さんは、横浜のみならず、神奈川県のいろいろな名所に行きたいとオレを誘うのだ。
羽島さん、横浜に知り合いが少なくてよっぽど寂しいんだろうな。オレなんかを誘うなんて。
今日も、赤レンガ倉庫に行ってみたいと言うから、断る理由もなく、現地集合。不思議なことに羽島さんは、毎回、行きたい場所に現地集合したがる。それで、道に迷って集合時間に遅れる。
今日もそんな感じで、十五分ほど待ちぼうけ。
「関さん! 遅れてごめんなさい」
はぁはぁと、息を切らせて駆け寄ってきた。別に急いでいないから、走らなくても。
「現地集合、やめたら?」
ふたりで会うのは、今日で四度目。なんやかんやで毎回謝らせてしまうから、なんだか気の毒に思えて、そう言った。
「ごめんなさい。怒っていますよね?」
整わない息のまま、申し訳なさそうに小さく言った、羽島さん。
「いや。別に」
怒る理由なんてない。初めての場所だから、下調べをしていても迷うことだってある。
「とりあえず、入る?」
今日は、風が強く吹いている。羽島さんのふんわりとしたスカートが、風にいたずらされるのを嫌った。