冬の恋、夏の愛
④
青空スターズは勝てなかったけれど、加茂さんはふたりの仲を裂くようなことはしなかった。
でも、また加茂さんみたいな男が現れて、莉乃ちゃんを誘惑することがあるかもしれない。
自分には自信がない。自信がないけれど、莉乃ちゃんを愛する気持ちは誰にも負けない自信がある。
だから、決めた。決めたけれど、さっきから同じ店の前を、行ったり来たりしていた。
百貨店に面した通りにある、宝石店。普段、あまりアクセサリーを身につけない莉乃ちゃんだけれど、ふたりで歩いていたとき、目を奪われていたものがあった。
そのときは、さほど気にもならなかったけれど。莉乃ちゃんが見ていたものが、単なるアクセサリーではなかったことにようやく気がついた。
勇気を出して、宝石店に足を踏み入れた。男がひとりで来ると、不審がられると思ったけれど、意外と男性客もいてホッとした。
……それにしても、いろいろなデザインがあるな。値段もピンからキリまで。サプライズで渡そうと思っていたけれど、オレの好みで選ばない方が良かったかな? とか思ったり。
「何かお探しですか?」
ついに、店員さんに声をかけられてしまった。
「あ、はい……」
でも、また加茂さんみたいな男が現れて、莉乃ちゃんを誘惑することがあるかもしれない。
自分には自信がない。自信がないけれど、莉乃ちゃんを愛する気持ちは誰にも負けない自信がある。
だから、決めた。決めたけれど、さっきから同じ店の前を、行ったり来たりしていた。
百貨店に面した通りにある、宝石店。普段、あまりアクセサリーを身につけない莉乃ちゃんだけれど、ふたりで歩いていたとき、目を奪われていたものがあった。
そのときは、さほど気にもならなかったけれど。莉乃ちゃんが見ていたものが、単なるアクセサリーではなかったことにようやく気がついた。
勇気を出して、宝石店に足を踏み入れた。男がひとりで来ると、不審がられると思ったけれど、意外と男性客もいてホッとした。
……それにしても、いろいろなデザインがあるな。値段もピンからキリまで。サプライズで渡そうと思っていたけれど、オレの好みで選ばない方が良かったかな? とか思ったり。
「何かお探しですか?」
ついに、店員さんに声をかけられてしまった。
「あ、はい……」