冬の恋、夏の愛
⑤
梅雨が明けた七月。莉乃ちゃんには『バッティングセンターに行く』と嘘をつき、こっそり商品を引き取りに行った。
「なぁ、寿彦さん」
「んー?」
その後、ふたり揃って横浜スタジアムまで足を運び、横浜ベイブルースと神戸パンサーズの試合を観にきていた。
夏の夜は、ナイターに限る! なんて言いながら、ビールを飲んだ。浜風が吹く横浜スタジアムで飲むビールは、ビアガーデンで飲むそれと同じように、心地が良かった。
でも、今日は緊張のあまり、早くアルコールが回ってしまいそうな気さえした。
「私が隣におるの、知ってる?」
「うん」
莉乃ちゃん、今日に限っておかしな質問をするなぁ。少し気になりながら返事だけすると、またグラウンドに視線を送った。
「たぬきが踊っているな」
「あれ、ハムスターやで」
「ああ、そうか」
イニング間のパフォーマンスが終わり、青いジェット風船が横浜の夜空を彩る。ふたりで空を見上げると、莉乃ちゃんの隣にいられることを幸せに思った。
「なぁ、寿彦さん」
「んー?」
その後、ふたり揃って横浜スタジアムまで足を運び、横浜ベイブルースと神戸パンサーズの試合を観にきていた。
夏の夜は、ナイターに限る! なんて言いながら、ビールを飲んだ。浜風が吹く横浜スタジアムで飲むビールは、ビアガーデンで飲むそれと同じように、心地が良かった。
でも、今日は緊張のあまり、早くアルコールが回ってしまいそうな気さえした。
「私が隣におるの、知ってる?」
「うん」
莉乃ちゃん、今日に限っておかしな質問をするなぁ。少し気になりながら返事だけすると、またグラウンドに視線を送った。
「たぬきが踊っているな」
「あれ、ハムスターやで」
「ああ、そうか」
イニング間のパフォーマンスが終わり、青いジェット風船が横浜の夜空を彩る。ふたりで空を見上げると、莉乃ちゃんの隣にいられることを幸せに思った。