最期に死神は愛を唄う。
みるみる赤くなっていく私に満足したのか、腕を掴んでいた手は解かれ、

振り返った先には意地の悪そうな顔をした、いつものりゅーがいた。



「っうぅぅぅ……行ってきます!!!」



こんな不意打ち卑怯過ぎる!!!



逃げるように扉を開けた私の後ろから、『っは』という笑いを噛み殺した笑いが聞こえて来て、

ますます恥ずかしくなった私は、さっきまでの憂鬱な気分を忘れていた。、



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