最期に死神は愛を唄う。
隼人のこんな表情をなんとかしたくて、私は頬っぺたを思いっきり横に引っ張ってみた。


「あは、変な顔!」


顔の伸びた隼人はカレーパンマンみたな顔付きで、目も平らになっちゃって、ただでさえちょっと釣り上がってる細い目が今じゃ開いてるのか閉じてるのか分からない状態で、


…不細工だ。



「えいっ」と勢いよく手を離すと、隼人の目尻には涙が溜まっていて、頬っぺは……



真っ赤になっていた。




.
< 28 / 31 >

この作品をシェア

pagetop