婚約指環は手錠の代わり!?
第一章 配属先は冷徹課長の営業三課!
「ずいぶんごゆっくりですこと」
お昼休みが終わって戻ってくる同時に、なぜか武本さんに嫌みを云われた。
時刻は十二時五十五分。
お昼休み終了まであと五分。
別に、責められる時間じゃないと思うんだけど……。
「私が新人の頃は、お昼ごはんもそこそこに戻ってきて、間違えたところなんかおさらいしてたんだけど。
ねえ、上村さん」
「そ、そうですね」
話を振られた上村さんの背中がびくりと震え、おそるおそるといった感じで返事をした。
「……すみません」
なんでこんなことを云われなきゃいけないのか全くもって理解できないが、とりあえず謝っておく。
それが処世術というものです。
「まあ、あなたは仕事より男に媚びを売る方が大事みたいですけど」
虚勢を張ってあきらかに悔しがってる武本さんに、やっと理由がわかった。
――私が、涼太と仲がいいのが気にくわないのだ、きっと。
お昼休みが終わって戻ってくる同時に、なぜか武本さんに嫌みを云われた。
時刻は十二時五十五分。
お昼休み終了まであと五分。
別に、責められる時間じゃないと思うんだけど……。
「私が新人の頃は、お昼ごはんもそこそこに戻ってきて、間違えたところなんかおさらいしてたんだけど。
ねえ、上村さん」
「そ、そうですね」
話を振られた上村さんの背中がびくりと震え、おそるおそるといった感じで返事をした。
「……すみません」
なんでこんなことを云われなきゃいけないのか全くもって理解できないが、とりあえず謝っておく。
それが処世術というものです。
「まあ、あなたは仕事より男に媚びを売る方が大事みたいですけど」
虚勢を張ってあきらかに悔しがってる武本さんに、やっと理由がわかった。
――私が、涼太と仲がいいのが気にくわないのだ、きっと。
< 1 / 136 >