婚約指環は手錠の代わり!?
離れた涼太の背中越しに見えたのは……海瀬課長。

「じゃあ、おやすみ」

ふふっと優しく笑ったのが嘘のように、海瀬課長を睨んだまま涼太は去っていった。

……嘘。
なんで海瀬課長が帰ってきてるの?

「浮気か?」

「ちがっ」

浮気?
なんで?
涼太にキスされたから?

「なにしてた?」

「いやっ、はなっ」

手首を痛いくらいに掴むと、海瀬課長は私を車に押し込んだ。

「多少羽目を外すくらいは大目に見るつもりだったが。
男とふたり?
しかも」

「だからちがっ」
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