婚約指環は手錠の代わり!?
「それはっ」

云おうとしたけど云えなかった。
涼太の前では云えたのに。

ぎり、唇を噛むと腕を取られた。
寝室に引きずられるように連れて行かれ、ベッドに突き飛ばされる。

「朱璃は僕のものだ。
誰にも渡さないと云っただろ?」

うっすらと笑う海瀬課長に、恐怖しか感じない。
シュルシュルとネクタイが抜かれ、両手首を縛られた。

「なに、する……」

「悪い子にはお仕置きだろ?」

迫ってくる手に目をつぶる。

そのまま、まるで嫉妬した気持ちをぶつけるかのように海瀬課長は私を抱き続けた。

限界を超え、意識が途切れる間際。

「もう少しだから」

……ソレッテドウイウ意味デスカ?








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