婚約指環は手錠の代わり!?
「え?」

「なんでもない、こっちの話。
……ん、わかった。
友達、ね。
じゃ」

苦笑いを浮かべると、涼太は去っていった。

きっと、いままでの関係には戻れないんだろうと思う。
でも、いい加減にして涼太の気持ちを弄ぶようなことはしたくなかった。


 
それからは平穏……とは云い切れないけど、それなりに平穏な生活を送った。

相変わらず私は海瀬課長に好きだって云わない。
海瀬課長もなにも云ってくれない。

だから私は、タイムリミットを設けたのだ。

もし、もしも。
もうすぐ来る、私の誕生日までになにも変わらなければ。

……この関係に終止符を打とう。


 
その日のお昼は新橋さんに高見さん、海瀬課長も一緒だった。
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