婚約指環は手錠の代わり!?
「あれ?
新橋さん、どうかしたんですか?」

いつもはその細い身体のどこに入るだってくらい、がっつり食べてる新橋さんなのに。
今日のトレイの上は豆腐サラダと、小鉢がいくつか。

「あー、最近、誰かさんのせいで太り気味なの」

うふふふっ、愉しそうに笑った、新橋さんの視線の先には海瀬課長。
目があうと、少しだけむっとした顔で逸らす。

「バターケーキって結構カロリー高いから」

「……ゆう」

海瀬課長が睨み付けると、ふふっとまた愉しそうに新橋さんは笑った。

よくわからないが、新橋さんに海瀬課長がせっせとバターケーキを食べさせてるってことだよね、きっと。
新橋さんと海瀬課長がどういう関係か気になるし、そういうことに気づくと……むっとした。

「新橋先輩は少しぽっちゃりくらいでも可愛いです!」

「高見くん?
新人時代にやったとんでもない失敗、ここで披露してもいいんだけど?」

ふふふっと笑った、新橋さんの目は笑ってない。
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