婚約指環は手錠の代わり!?
「ああ」

ぱかっと箱を開けてみると、ルビーにダイヤをあしらった指環が入ってる。

「これって」

どういう意味か計りかねてる私にとうとう、ちっ、小さく海瀬課長が舌打ちした。

「朱璃、だから朱い石なんだろ」

箱から指環を取り出すと、戸惑ってる私にかまわず左手を掴む。
そして……薬指に指環をはめた。

「朱璃を愛してる」

わけがわからなくて混乱した。

「でも、新橋さんに貢いでましたよね?」

「は?」

「バターケーキ」

手作りスイーツを貢いでたんだ。
他のものだって貢いでたって疑ったっておかしくないよね?

「君が食っただろ」

「え?」
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