婚約指環は手錠の代わり!?
少しだけ出遅れたからか、すでに人はほとんどいず。

……初日からぼっち飯ですか。

はぁーっ、苦笑いで食堂などに行ってみる。
ひとりぽつんと列に並んで、ソースカツとごはんに味噌汁、それに小鉢。

「朱璃!」

空いてる席を探して見渡していたら、どこからともなく聞き慣れた声が。
探してみると、涼太――大藤涼太がこっちこっちと手招いていた。

「ひとりか?」

「あー、うん。
なんでか」

苦笑いで前に座ったら、涼太がにかっと笑った。

「へえ。
すでにいじめられてんの?」

「違うと思うけど。
……いただきます」

いじめられてるわけではないと思う。
まわりの反応は気になるが。
< 4 / 136 >

この作品をシェア

pagetop