婚約指環は手錠の代わり!?
気を取り直して箸を掴み、お味噌汁を一口。
少しだけ、顔の火照りが治まった気がする。

毎日、涼太とお昼を食べているわけではないし、毎回、海瀬課長が隣に座ってくるわけでもない。

……でも。
涼太と食べてると高確率で、海瀬課長が隣に座ってくる。
ひとりで食べてたり、ほかの同期、女性とだとそんなことはないんだけど。

しかも毎回、私たちを気にすることなく、黙ってごはんを食べてるだけ。

ちなみに、席が空いてないから仕方なく、ではなく、それなりに空いてる席の中からわざわざピンポイントで私の隣に座ってくる。

全く持って、謎。

「そうだ。
今晩、飲みにいかねー?」

「そうだねー」

ここのところは残業も減ってきたし、余裕もある。
少しくらい羽目は外したいかも。
このあいだの歓迎会があんなだったし。

「今日は早く終われる予定だから。
どう?」

「じゃあ行こうか……」
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