婚約指環は手錠の代わり!?
「芹口君は今日、残業だ」
私の声に被さるように、海瀬課長の声が聞こえてくる。
というか隣に座るようになって、海瀬課長が喋ったのは初めてだ。
「え、今日はそんな予定、ないですけど」
「明日の会議の準備、やってもらおうと思って云うのを忘れていた。
そういうわけで今日は残業、だ」
「そんなー」
せっかく今日は涼太と飲みに行って、気分転換しようと思ったのにー。
不満で軽く睨んでしまったら、視線のあった、眼鏡の奥の瞳がふいっと逸れる。
「じゃあ芹口君、よろしく」
すでに食事が終わっていた海瀬課長は、そのまま席を立って行ってしまった。
「なんというか……。
ご愁傷様?」
「ううっ」
武本さんのいじめがなくなったとはいえないまでも、周囲のみなさんの協力を得られるようになってきてだいぶ楽になってきたのに。
私の声に被さるように、海瀬課長の声が聞こえてくる。
というか隣に座るようになって、海瀬課長が喋ったのは初めてだ。
「え、今日はそんな予定、ないですけど」
「明日の会議の準備、やってもらおうと思って云うのを忘れていた。
そういうわけで今日は残業、だ」
「そんなー」
せっかく今日は涼太と飲みに行って、気分転換しようと思ったのにー。
不満で軽く睨んでしまったら、視線のあった、眼鏡の奥の瞳がふいっと逸れる。
「じゃあ芹口君、よろしく」
すでに食事が終わっていた海瀬課長は、そのまま席を立って行ってしまった。
「なんというか……。
ご愁傷様?」
「ううっ」
武本さんのいじめがなくなったとはいえないまでも、周囲のみなさんの協力を得られるようになってきてだいぶ楽になってきたのに。