婚約指環は手錠の代わり!?
「まあいいけど。
……そっちどうだよ?
俺、初日からめげそー」

「一課ってそんなにきついの?」

「……すでに死にそう」

悲愴な涼太がおかしくて笑いが込み上がってくる。

涼太とは内定式のときに再会した。
高校、大学は別だったが中学は一緒だったから、懐かしくて盛り上がって。
それからは親しくしてる。

「まあまあ、そう落ち込まないで。
私のカツを一切れあげよう」

「サンキュー。
って、そっちだってあの噂の海瀬課長、だろ?
大丈夫なのかよ?」

一切れ、お皿に載せたカツに早速、涼太は噛みついてる。

「んー。
特にいまのところは」

私も自分のカツに箸を伸ばしてがぶり。
まだ特に話したこともないし、別にねー。
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