婚約指環は手錠の代わり!?
第四章 バッグ返してください!帰れません!
そのまま、海瀬課長のマンションにお持ち帰りされた。

「海瀬かちょ……んっ」

部屋に入ると切羽詰まった様子で唇を重ねてくる。

どうしてこんなことになってるんだっけ。

考えようにも思考は飛んでいく。

あたまがぼぅとなってもたれ掛かると、抱き抱えられてベッドの上に放り出された。

「朱璃」

頬を撫でられ名前呼びされて、熱で浮かされた瞳で見上げる。
視線が合うとちゅっ、軽く唇がふれた。
海瀬課長の右手がネクタイにかかり、シュルシュルと抜かれていく。

「朱璃」

再び呼ばれた名前、再び重なった唇。

結局、ベッドの上で散々泣かされ、沈んでいく意識の中でぼーっと煙草を吸う海瀬課長を見てた。

「朱璃は僕のものだ。
誰にも渡さない」

煙草の香りのキスを最後に、完全に眠りに落ちた。
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