婚約指環は手錠の代わり!?
「ならいいけどさー。
俺、今日いきなり先輩に、
『三課の海瀬課長だけは怒らせるな』
って云われた」
「なにそれ」
さっぱりわけわかんないですよ。
「海瀬課長、ついこのあいだまで一課の係長だったじゃん?
そんときにトラウマになるほど恐怖体験した人、いるんだってさー。
しかも、会社辞めたとか。
フロアが分かれただけでも嬉しいって、先輩喜んでた」
「へー」
どんだけ恐れられてるんだか。
やっぱり、あの意味深なみなさんの視線は、そういう意味なのだろうか。
結局、お昼休みが終わるまで涼太の愚痴に付き合った。
……でも私は知らなかったのだ。
こんな普通の会話ですら、会社では気をつけなきゃいけないってことに。
お昼休みから戻ってきた私を待っていたのは、武本さんの嫌み。
「ずいぶんごゆっくりですこと」
俺、今日いきなり先輩に、
『三課の海瀬課長だけは怒らせるな』
って云われた」
「なにそれ」
さっぱりわけわかんないですよ。
「海瀬課長、ついこのあいだまで一課の係長だったじゃん?
そんときにトラウマになるほど恐怖体験した人、いるんだってさー。
しかも、会社辞めたとか。
フロアが分かれただけでも嬉しいって、先輩喜んでた」
「へー」
どんだけ恐れられてるんだか。
やっぱり、あの意味深なみなさんの視線は、そういう意味なのだろうか。
結局、お昼休みが終わるまで涼太の愚痴に付き合った。
……でも私は知らなかったのだ。
こんな普通の会話ですら、会社では気をつけなきゃいけないってことに。
お昼休みから戻ってきた私を待っていたのは、武本さんの嫌み。
「ずいぶんごゆっくりですこと」