婚約指環は手錠の代わり!?
「君なら、この程度ので満足だろ?」

あー、えと。
これはデザートを買ってくれるということでいいんですかね?

「早くしろ」

せかされて、適当にモンブランを手に取った。

支払いはすべて、海瀬課長。
だって私はお財布、持ってない。

 
マンションに戻るとコーヒーじゃなくカフェラテを淹れてくれた。
わざわざお皿の上に載せられたモンブランを使い捨てのスプーンじゃなくきちんとしたフォークで、海瀬課長の足のあいだに座って食べる。

……ええ。
膝の上にこそ載せられなかったが、座るのは足のあいだ、しかも後ろから腕が回ってきて私の身体をホールド。

なんなんですかね、これ?
 

昼間散々私を泣かせたので気がすんだのか、夜はなにもされなかった。

いや、厳密にはされた。
後ろから抱き枕よろしく抱きしめられて、眠りにつくまで首筋にちゅって唇を落とされた。
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