婚約指環は手錠の代わり!?
突然、手のひらを返したかのような武本さんに驚いた。

私はなにか気に障るようなことをしたんだろうか?

続く嫌みを必死で理由を考えながら聞く。

「まあ、あなたは仕事より男に媚びを売る方が大事みたいですけど」

……えっと。
そんなこと、全然……あ。
武本さんがなにを指しているのが思い当たることがひとつだけ。
きっと、涼太と話してたことだ。

「別に、同期と話してただけですけど……」

「へー、そうなの」

全く聞く耳持たずな武本さん。
もしかして、なんだか知らないけど妬まれてる?
こうして私はよくわからないまま、武本さんにいじめられるようになった。



「芹口さん、給湯室の準備終わったの?」

「あ、えっと?」

なんのことだかわからないが、武本さんは朝から私の返事にイラついている。
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