婚約指環は手錠の代わり！？

「……ゆう」

海瀬課長に睨まれて、新橋さんはふふって意味深に笑って黙った。

「気の毒だけど、諦めて？
危害を加えるようなことだけはないから」

「……はあ」

……って、これからなにが起こるんですか！？
不安で仕方ないですよ。

しかし前から気になってたけど、このふたりはどういう関係なんだろ？
海瀬課長も新橋さんのこと、ゆうって名前呼びだし。

「その……」

「ああ、私たちのこと気になる？」

いや、気にはなるけど愉しそうに笑われると、聞きたくなくなる。

「同期なの。
それだけなんだけど、なんでか海瀬くんは私が苦手みたい」

「……」

海瀬課長は黙ってジト目で新橋さんを睨んでいる。
確かに、さっきはそんな感じでしたね。

「だからなにかあったらいつでも云ってねー」