婚約指環は手錠の代わり!?
「これでいいか?」

「……今日はなにもしないんですか?」

だって、ただ抱きしめてるだけってほとんどなくて。

「したほうがいいのか?」

くすり、耳に届いた小さな笑い声に身体中が一気に熱くなった。

「……いえ」

結局、珍しく手を出してくることはなかったのもあって、安心してぐっすり眠ることができた。


 
……海瀬課長が好き。

その想いは日に日に積もっていく。

でも、海瀬課長はなにも云わない。
やってることは思いっきり甘いのに。

最初は、自分から云うのは負けた気がして云わないだけだった。
でも、日を追うごとに云わなかった言葉は云えない言葉になって私の喉に詰まっていく。

初めは確信は持てないまでも、海瀬課長は私のことが好きなんだろうと思ってた。
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