婚約指環は手錠の代わり!?
「こんな可愛い彼女、欲しい人は他にもいると思うんだけど?
ねえ?」

どうしてか意味深そうに新橋さんはふふふって笑ってる。

「やっぱり芹口さん、海瀬課長の彼女なんですか?」

気にしてないふりをしながら、海瀬課長の口から出る言葉に集中してしまう。

「は?
彼女じゃないぞ」

目の前が急に真っ暗になった。

なに?
どういうこと?

「これだけ溺愛しといて、そんなこと云うんだ?」

新橋さんは愉しそうな問いに、海瀬課長は答えない。

指先が、冷たい。
知らず知らず、身体が小さく震える。
寒いわけじゃないのに。

「芹口さん?」

「……あ」
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