婚約指環は手錠の代わり!?
第六章 涼太と付き合う? 突然の選択肢。
……はぁーっ。
「芹口さん、お疲れ?」
私の口から落ちた深いため息に、新橋さんが愉しそうに笑う。
今日は海瀬課長が外回りに出てていないから、外ランチに誘ってくれた。
高見さんも一緒。
最近知ったのだが、高見さんは新人時代にお世話になった新橋さんに憧れてて、いろいろやっているけどいまだにいい返事はもらえないらしい。
「……少し」
私の答えに意味がわかっているのか、さらに新橋さんがふふふっと笑った。
確かに、疲れてる。
なにかない限り、毎晩のように海瀬課長に求められるから。
しかも私がくたくたになるまでやめてくれなくて、結局、沈んでいく意識の中で煙草を吸ってる海瀬課長を見ていることになる。
けど、それが嫌かと云えば嫌じゃなく。
そのときだけは海瀬課長に愛されてるって錯覚できるし、煙草の香りのキスをしてくれるときだけは優しいから、好き。
「海瀬くん、いろいろわかりにくいし、腹の立つこともあると思うけど。
悪い人じゃないから、許してあげて?
愚痴ならいくらでも、私が聞いてあげるから」
少し、新橋さんが遠い目をした。
「芹口さん、お疲れ?」
私の口から落ちた深いため息に、新橋さんが愉しそうに笑う。
今日は海瀬課長が外回りに出てていないから、外ランチに誘ってくれた。
高見さんも一緒。
最近知ったのだが、高見さんは新人時代にお世話になった新橋さんに憧れてて、いろいろやっているけどいまだにいい返事はもらえないらしい。
「……少し」
私の答えに意味がわかっているのか、さらに新橋さんがふふふっと笑った。
確かに、疲れてる。
なにかない限り、毎晩のように海瀬課長に求められるから。
しかも私がくたくたになるまでやめてくれなくて、結局、沈んでいく意識の中で煙草を吸ってる海瀬課長を見ていることになる。
けど、それが嫌かと云えば嫌じゃなく。
そのときだけは海瀬課長に愛されてるって錯覚できるし、煙草の香りのキスをしてくれるときだけは優しいから、好き。
「海瀬くん、いろいろわかりにくいし、腹の立つこともあると思うけど。
悪い人じゃないから、許してあげて?
愚痴ならいくらでも、私が聞いてあげるから」
少し、新橋さんが遠い目をした。