笑う君の
タイトル未編集
「はぁ…っ…はぁッ……」
吐く息が荒い。
「ハッ…はぁ…っせ、センパイ…ッ」
喉が痛い。
我ながらお人好しだと思う。
なんで私は今、こんな夜中に走ってるんだろう。
普段は来ない繁華街の裏路地。
背後で私に手を引かれる鼻水と涙、落ちかけのメイクをぐちゃぐちゃにした後輩。
「センパイ…っごめん、なさっ…わたし、」
「そーいうのいいから!今は逃げるよ!!」
さっき通ったゴミ捨て場を踏み荒らし、野次を飛ばしながら追いかけてくるあいつらをちらりと見て、スピードを上げる。
どうしよう…じきに追いつかれる。
あぁもう…
「何でこんなことに…ッ!?」
喉が痛い。
< 1 / 2 >