君に二度めの恋をする
不機嫌な王子様


入学式からもう二週間…はやいなぁ



あたしは、いつもどうり満員電車に乗り込む

うぅきつい…


電車の中はいつも学生とかサラリーマンでいっぱいだ



ーーーえっ!?

なんかお尻のあたりに違和感が…

…絶対に人の手だ

ってか! これ、鷲掴みってやつだ…

離れようとしても身動きがとれない…

でも…次の駅で降りるし…


「っ!!」

少しでも離れようともがいていると、いきなりあたしの太ももの間に手がはいってくる


…どうしよ

その手から逃れようとしている間もどんどん手が上に上がってくる


やだ……


怖いよ…


助けて…



「おい」

その声と同時にあたしに触れていた手がはなれた


えっ??

びっくりして、首を後ろに向けると同じ制服を着た男の子の不機嫌そうな顔…

ーー助けてくれたの?


「ひゃ!」

駅に着いたとたん人の波に押し流される


わわっ

急に誰かに手首を掴まれ引っ張られた



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