真実
そして、

右手に持っていた、カッター。

けれど、右手は震えて、持っていた、カッターを床に落とした。

死のうと思っても死ねない、自分の情けなさや、こういう形で逃げを作っている自分の非力さや弱さを痛感し、涙がボロボロ溢れて、止まらなくて・・・

ふと見た、左手首の傷口が、滲んで見えた。

それを見た途端に、気付く。

“何、やってんだろ”

そう思い、ベッドの上に寝転がっていた。

そして、もう涙は流れていなかった・・・。
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