君を忘れない~妄想の中の王子様
 
 驚いて振り向くと、笑顔のレイが立っていた。

「貸せよ。」

「あ、ありがとう。」

 もう、それだけで、ドキンと心臓が、跳ねる。

 脚立を軽々と担いで、スタスタ歩いて行く彼の後ろ姿が、眩しい。
 そんなに優しくしないで。勘違いしてしまうから。涙が出そうになる。…でも、やっぱりうれしい。
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